退職日を何日にするかによって、社保1か月分の違いが生じます

社会保険料は、従業員が月末に退職するか、月末より1日前のいずれかの日に退職するかにより、控除額が異なります。

ここでは、11月に退職するA社の従業員を例に、退職日により社会保険料(厚生年金保険料及び健康保険料)がどのように変わるかを確認します。

(社会保険料は、厚生年金保険料及び健康保険料を指しています)。

ルール1:社会保険料は日割り計算ではなく、月割りで計算し納付します。そのため、雇用期間が1日でもあれば、1か月分の保険料が算定されます。

ルール2:退職日の翌日が「資格喪失日」です。社会保険料は、「資格喪失日」の前月分までの保険料が発生します。

ルール3:「資格喪失日」が存在する月からの保険料については、基本的に、社会保険料は発生しません。

 

退職日が月末日のケース

11月29日

11月30日=退職日

12月1日=資格喪失日

この場合、資格喪失日(12月1日)の前月である11月分までのA社の社会保険料が発生します。資格喪失日が存在する12月分の社会保険料は発生しません。

11月分の社会保険料の内、半分は従業員の給与から天引きされ、会社が半分を負担します。

12月分からは、従業員は新しい転職先の社会保険に加入するか、国民年金及び国民健康保険に加入するか、退職したA会社の健康保険を任意継続するか、配偶者の扶養に入るか、のいずれかになります。

 

退職日が月末日ではないケース

11月24日

11月25日=退職日

11月26日=資格喪失日

退職日を月末日以外にすると、退職日と資格喪失日が同時月になり、資格喪失日が存在する月からのA社の社会保険料は発生しません(ルール2)。

この場合、資格喪失日(11月26日)の前月である10月分の社会保険料について、半分は従業員の給与から天引きされ、半分は会社が負担します。

資格喪失日が存在する11月分のA社の社会保険料は発生しません。11月分からは、従業員は新しい転職先の社会保険に加入するか、国民年金及び国民健康保険に加入するか、退職したA社の健康保険を任意継続するか、配偶者の扶養に入るか、のいずれかになります。

 

結論

会社が負担する社会保険料についていえば、月末日以外の日に退職日を設定することによって、社会保険料1か月分の節約が可能となります。

他方で、従業員は新しい転職先の社会保険に加入するか、国民年金及び国民健康保険に加入するか等をして、継続して社会保険料を負担することになります。