日本で会社を設立する際には、会社の決算日を決定する必要があります。決算日は定款及び税務署への設立届に記載されることになります。
ここでは、決算日をいつにするのかを決定するにあたっての考慮事項を解説いたします。
決算日とは、事業年度の最終日を言います。
海外では、法令によって決算日が一律12月31日と規制されている国がありますが、日本でも個人の所得税については12月31日が事業年度最終の日と決められています。
しかし、日本の会社は決算日を自由に決定することができます。一度決定した決算日を後に
変更することも可能です。
日本企業で圧倒的に多いのは3月末を決算日とする会社です。
官公庁、学校等の公的機関の年度も4月初日から3月末日に設定されています。行政機関と事業の関連か深い企業にとっては、3月末決算とすることが、事業計画策定の場面などで効率的でしょう。
外資系企業の場合、親会社の決算期に合わせて12月決算の会社が多いという印象があります。グループの連結財務諸表を作成必要もあることから、外資系企業の場合には親会社の決算日と同じ日を自らの決算日にすることになると思われます。
3月や12月を決算日にすることにはデメリットがあります。
3月15日は個人所得税確定申告の期限ということもあり、3月4月5月は日本の会計事務所にとっては大変な繁忙期になります。そのため、報酬が高くなりやすい傾向があったり、相談をしてもじっくりと時間をかけて対応してもらうのが難しい時期でもあります。
決算期には、経理部を中心に会社の業務量が増加します。経理部以外でも棚卸し作業、請求書の処理、業績報告書の作成等、業務量が増加することから会社の繁忙期を避けることが望ましいでしょう。
会社が税金を納めるのは決算日から2か月後又は3か月後です。その時には納税資金が必要となり多額の資金が流出する可能性があります。賞与の支給月と納税の時期が重ならないようにするなど、会社の資金繰りパターンに留意すべきでしょう。
インボイス制度に対応するために適格請求書発行事業者登録を行う企業の場合には、設立1期目から消費税の納税義務が生じます。売上が1000万円以下となるような小規模企業で、且つ適格請求書発行事業者の登録を行わない選択をする場合には、消費税の免税期間である第1期目及び2期目が最長になるように決算期を設定することを検討してもよいでしょう。設立日から1か月後を決算日とするよりも、1年後を決算日とするほうが免税期間は長くなります。
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