外国会社が日本に支店を設置して事業を開始したい場合、会社法上の規制にはどのようなものがあるのでしょうか。
(外国会社が日本に子会社を設置する場合には、その子会社は日本の会社法に準拠して設立された日本の会社なので、ここでの話は当てはまりません)。
日本の子会社の場合との違いは、次の点かと思われます。
‐登記に際して添付する書類、代表者のサイン証明書に対しては、外国会社の本国の管轄官庁又は日本における領事その他権限がある公的認証を受ける必要があります。
‐代表となる者は日本人、外国人を問いませんが、代表者の一人は日本に住所を定めなくてはなりません。(日本子会社の代表者の場合には、日本での住所は必要とはされていません)。
‐外国為替及び外国貿易法に基づく事前届出が必要になる場合があります。
‐日本で事業を行うための拠点は日本国内になくても構いません。この場合の登記は日本の代表者の住所を基準に行われます。
外国会社とは,外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって,会社と同種のもの又は会社に類似するものをいいます(会社法第2条第2号)。
外国会社が日本において継続して取引をしようとするときは,日本における代表者を定め(会社法第817条第1項),当該外国会社について登記をすることが必要です。外国会社は,外国会社の登記をするまでは,日本において取引を継続してすることができません(会社法第818条第1項)。
日本における代表者のうち一人以上は,日本に住所を有する者でなければなりません(会社法第817条第1項)。日本で継続して取引をしようとする外国会社は,日本における代表者を定めた日から3週間以内に,外国会社の登記の申請をしなければなりません(会社法第933条第1項)。
違反をした場合した場合には、外国会社の日本における代表者又は支配人には,100万円以下の過料に処される可能性があります(会社法第976条第1号)。また,会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処される可能性もあります(会社法第979条第2項・第1項)。
・外国会社の設立の準拠法
・日本における代表者の氏名及び住所
・公告方法、ウェブページのアドレス等
・他
・申請書(外国会社営業所設置登記申請書)
申請書には,申請人又は代理人が記名押印しなければなりません。押印する場合は、登記所にあらかじめ提出した印鑑を押印しなければなりません。日本における代表者が外国人である場合には,記名押印することに代えて署名すれば足りますが,その場合には署名が本人のものであることの母国の官庁の証明書(いわゆるサイン証明書)の添付が必要となります。
・本店の存在を認めるに足りる書面
・日本における代表者の資格を証する書面
・外国会社の定款その他外国会社の性質を識別するに足りる書面
・他
これらの添付書類は、外国会社の本国の管轄官庁又は日本における領事その他権限がある官憲の認証を受けたものでなければなりません。
9万円
外国会社の国籍、日本支店の事業目的、取扱製品によっては、事前届け出が必要となることがあります。
税務署及び税務事務所に対して「外国普通法人となった旨の届出」「給与支払事務所等の開設届出」その他必要に応じて青色申告、源泉所得税の納期特例、等の届出が必要です。
従業員を雇い入れた場合には、労働基準監督署、職業安定書、社会保険事務所への届出も必要となりま
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